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香りのサービスシリーズ

公共交通機関における香りのサービスについて

香りのサービスシリーズ、3日目の今日は「公共の交通機関」における香りのサービスについてです。

公共の交通機関というと何を思い浮かべるでしょうか。

私の場合は、「電車」「バス」が主な交通手段となっていますが、「航空機」なども公共の交通機関です。

乗り物だけではなく、駅構内や空港ラウンジなども香りのサービスの対象となっている場合があり、今回はそれら多くの人が毎日利用している場所に置ける香りのサービスについてのお話です。

公共の交通機関における香りのサービス

電車/駅構内

電車に関連した香りのサービスは様々ありますが、主に車内でのサービス・駅構内でのサービスになります。

車内のサービスだと伊賀市の伊賀鉄道で車内をラベンダーの香りで包む「アロマ&フラワートレイン」の運行などがありました。毎年ラベンダーが咲く時期にあわせて運行しているようです。

昨年2021年は6月12日から7月にかけて運行されていたので、今年2022年ももうすぐかもしれません。

また東急電鉄では、2016年、東急線の全シースルー改札口および渋谷ちかみち総合インフォメーション、渋谷駅観光案内所17駅23カ所にアロマディフューザーを設置し、天然アロマによる香りの空間演出をしました。*東急電鉄が導入した香りのサービスについての記事はこちら

また、変わり種としては2017年秋、国鉄時代の車両における車内のにおいを再現したという、ルームフレグランスがクラウドファンディング支援の返礼品として販売されました。鉄道をテーマにしたフレグランス商品としては世界初だという「国鉄の香り」は、昔の国鉄車両に乗ったときに感じられる、少し鼻をつく、何ともいえない独特のにおいを再現したもので、消毒剤のにおいだったそうです。

バス

バスでも香りのサービス導入事例はあります。

2016年11月、名古屋市の名鉄バスが、夜行バス運行時に設置したアロマディフューザーから香りを出すサービスを始めました。

また、関東バスから出ている業界初の全室扉付き完全個室の「ドリームスリーパー東京・大阪号」でのウェルカムアロマの導入や、「VIP LINER」の「香るバス体験【BUS de AROMA】」など、様々なサービスが導入されています。

バスで導入された香りのサービスの記事はこちら

飛行機/空港ラウンジ等

香りのサービスは飛行機や空港でも導入されています。

ANAでは空港ラウンジや機内でオリジナルアロマの香りを洗練されたくつろぎのアロマ空間を演出。「クールで個性的な強さと、深い森林を思わせる優しく豊かな香り」とされていて、精油とエアミストが販売されています。

JALでは、2013年よりJALの国内全てのラウンジでJALオリジナルラウンジアロマを導入しています。空港内ラウンジでの香りだけでなく、国内線ファーストクラス・国際線全クラスのお客様へ提供するお食事前の“おしぼり”にも、おしぼりコロン “JALオリジナルアロマミスト” が使用されています。ラウンジアロマは午前使用する“朝″と午後使用する“夕”の2種類があり、卵の殻から作ったアロマストーンと一緒にセットで販売もされています。

公共の交通機関における香りのサービス注意点

電車・駅構内での注意点

まずは電車・駅構内での香りのサービスについての注意点です。

電車に関しては、先程あげた「香りで演出している電車」については、苦手な香りの場合自分で判断して乗らないようにすれば良いだけなのですが、最近ではアロマストーンやティッシュなどに香りをしみこませて持ち歩いている人もいるようなので、その点では香りが苦手な方は注意が必要です。

柔軟剤などの香りでも具合が悪くなってしまう方もいらっしゃいますので、香りを持ち込む側も、特に換気が難しい地下鉄などの中での使用は注意しましょう。

また、対策が難しいのが駅構内での香りのサービスについてです。

不特定多数の方が毎日使用する駅構内で香りがディフューズされている場合、さらにその日に何の香りがディフューズされるのかがわからない状態では、やや危険も伴います。

通勤・通学でどうしても利用しなければならない駅で、もし苦手な香りが漂ってきたらどうでしょうか。

万人が必ず「良い香り」だと感じるものはないため、苦痛を感じる人もいるわけです。

通過する利用客もさることながら、長時間香りが漂う中で勤務する駅員さん達にとっても、天然精油の香りだから大丈夫というのではなく、芳香分子は体内に入っていくため、体調不良に繋がるケースがあることを知っておくべきです。

始発から終電までの長時間、ずっと香りの中にいるのは危険です。

バスでの注意点

バス内での香りの使用に関しては、やはり長時間・閉鎖空間で漂うものと考えると、あまりお勧めできません。

ただ、「香りのサービスを行っているバスである」とわかっていれば回避することも可能であるため、その点では多くの人が行きかう場所でディフューズすることを考えたら、こちらの方が安全とも言えます。

ただ、好きな香りだと思っていても、長時間かいでいると具合が悪くなることもある為、注意は必要であるのと、次に使用する方が苦手な香りである場合もあるので、やはり難しいと感じることはあります。

空気清浄機の使用も良いのですが、以前室内で空気清浄機を使用していた際、アロマスプレーをシュッとしたところ、空気清浄機が「パワフル吸塵」に切り替わり、ものすごい音を立てて吸い込んでいました。

何らかの「成分」が空気中を漂っていることは機械も察知しています。

アレルギーの方は少量の成分であっても反応されることがありますので、その点は注意が必要です。

飛行機・空港ラウンジなどでの注意点

今回の香りのサービスシリーズを書く上で、一番難しさを感じたのが「飛行機内での香りのサービス」でした。

以前化学物質過敏症や香害について調べていたところ、飛行機内でのアロマの使用で酸素吸入をするはめになった方の記事を見ました。

週刊金曜日の「香害」最前線 岡田幹治≫では、香り空間サービスについての調査をまとめています。

週刊金曜日8月10日(1196)号 http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002624.php

このまとめでは、機内について「香りつき」と「香りなし」のどちらが望ましいか尋ねた結果59.2%が「香りなし」を選び、「香りつき」を選んだ23.6%の2.5倍となることが分かっています。

この結果は私の想像以上のもので、長時間にわたる閉鎖空間での滞在、さらに「空の旅」であることから、体へのトラブルが起こった際に緊急対応することが容易ではない点に注意が必要です。

トラブル発生時、近隣空港へ緊急着陸するとしても、多少時間がかかります。

また、食事前に配布するものに香りがついていることで、香りの中で食事をすることになります。
レストランなどでは香りのサービスを導入されているところは少ないですし、せっかく楽しみにしていた食事時に香りがすることで食欲が落ちてしまう方もいらっしゃいます。

さらに、香りに敏感なお子様などが乗っている場合も、音や光のように遮断することはできません。刺激によるパニック状態を落ち着かせるために、必要な時に自分だけで嗅げるように好みの香りを持ち歩いている方もいらっしゃる一方で、香りをかぐことでパニックになる方もいらっしゃる点は考慮すべきです。

ラウンジのように多くの方が過ごす場所での香りから、閉鎖空間である機内まで、ずっと香りが追っかけてくる環境は、「全ての人にとって心地よい」わけではありません。

空の旅をくつろいで欲しいというおもてなしの心でなされていることが、場合によっては旅時代を台無しにしてしまう可能性もあります。

喫煙に関してですら、日本ではやっと状況が進み始めたばかりです。喫煙ルームがあるのと同じように、香りも好きな人・必要な人だけが楽しめるようになると、多くの人が満足のいく空間になるとは思いませんか。

  • この記事を書いた人

真木 真奈

通算10年程製薬企業のMR(医薬情報担当者)として勤務。

お薬を否定せず、「自然療法は正しい知識で」取り入れることをモットーとしたわかりやすいレッスンや、効率良く学び「全てのアロマ資格に一発合格」した経験を活かした資格試験対策も好評。

・NARD JAPANアロマインストラクター
・MAA認定メディカルアロマプラクティショナー
・JAAトップインストラクター
・yuicaインタープリター
・コスメ薬事法管理者

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