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香りを扱う仕事で考える、「香害」問題について

現在こちらを書いているのは2022年4月中旬ですが、ここのところ急に暑くなってきました。

汗っかきの私は、とても憂鬱になってしまう季節です。(夏生まれなのですが・・)

この頃、消臭系の柔軟剤のCMが増えてきています。中には消臭系ではあるものの、他の香りで隣にいるとしんどく感じてしまうほど強い香りを放っているものもありますね。

我が家はアトピーの子が汗に反応してしまうこともあり、色々と気を遣うことも多いのですが、汗や臭いについてはバランスを取ることが難しい問題でもあります。

ここ数年、柔軟剤をはじめとして様々なものに対して「香害」という言葉が使われるようになってきました。

令和元年六月十四日の衆議院消費者問題に関する特別委員会においても下記のような質問主義書が提出されています。

独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)によって令和二年四月九日に公表された「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供」によると、「柔軟仕上げ剤のにおい」に関して毎年百件を超える相談が寄せられており、その相談内容を見ると、呼吸器障害、皮膚障害、感覚機能の低下など深刻な症状を訴えるものである。

柔軟仕上げ剤等によるいわゆる香害に関する質問主意書 提出者  丸山穂高氏

政府は、「現在、厚生労働省では、化学物質過敏症などに共通して見られる中枢神経感作といわれる病態の解明について研究を進めており、こうした研究を踏まえていわゆる香害と化学物質との因果関係が疑われる場合には、その詳細な調査を検討したい」旨答弁している

柔軟仕上げ剤等によるいわゆる香害に関する質問主意書 提出者  丸山穂高氏

そこで、今回はアロマテラピー講師の視点からみた「香害」についてお伝えしたいと思います。

天然由来のものは安全なのか?

香害問題を考え、調べてみると「天然由来のもの(精油など)は香害とは無関係」であるかのような記事が散見されます。

アロマテラピーは「女子力が高く」「キラキラした私になれる」というような印象を与えてしまうことが多く、アロマテラピーで使用する精油などに関するデメリットや注意点についてはきちんと教えられていない、と感じることが多々ありました。

でも、精油は自然界に存在しない濃度まで植物の力を凝縮したものです。まだ未知の成分も含まれていて、薬剤のように全ての成分が解明されているわけではありません。

当然、「香害」による悩みを抱えている方の中には、精油に対してアレルギー反応を示す方も含まれていると考えるべきなのですが、「天然由来のものだから」「安心安全」といった誤解を与えてしまうような指導や情報提供をしてしまう講師・販売員などがいます。

講師や販売員ではなくても、お友達や家族、その他多数の人に中途半端な情報を良かれと思って広めてしまうと、かえって相手の害になることも知っておいていただきたい点です。

香に敏感な方への配慮

とはいえ、神経質になって香がもたらすメリットを手放すのも何か違う。
でも、香害に悩んでいる方は「自分は神経質だと思われているかも」と
悩んでいる。

どうしたらお互い快適に過ごすことができるのか・・??

難しいところではありますが、まずは公共の場での香のディフューズは
注意が必要ではないかと考えています。

人によって香の好き嫌いがあるのはもちろんのこと、苦手な香が香っているその場に長時間いなくてはならない方がいる(従業員など)ということはまず考えていただきたい点です。

当校でも初回のレッスンでお伝えしていることですが、そもそも長時間の
ディフューズは体への悪影響が懸念されています。

さらに嫌いな香であったなら、なおさらダメージは大きくなります。

下記のような質問書が自治体 市長に送付されているケースもあり、アロマテラピーを学んでいる方には是非知っておいていただきたい点です。

EUのアレルゲン性香料の規制では、天然香料も感作性があるので規制対象となっており

「香料暴露体験事例集(香料自粛を求める会・2013年)」では、アロマディフューザーとエッセンシャルオイル(精油)による深刻な健康被害の実態が、報告されています。

ディフューザー(芳香拡散器)使用についての質問書  香料自粛を求める会

私自身、かぐとくしゃみが出てしまう香があります。
20年以上前、自身のアレルゲンを知らずにアナフィラキシーを起こしたこともある為、人ごとではありません。

自然に生えている樹木の花の香ですら頭痛・吐き気といった深い症状を起こす方もいることを考えると結構深刻な問題でもあります。

もし自分が身につけている何らかの香で不快に思っている方がいる場合は、その香は家の中でだけスプレーなどを作り楽しむなど、できるところから配慮していけるといいですね。

香害について、様々な視点から考える

「香害」というと、化学物質によるものであり、天然由来のものは関係ないと思われているため、誤った情報を広めてしまったり信じてしまったりしている方は多くいらっしゃいます。

そのような方達に、「香害」問題の視点から、アロマテラピーについて今一度知り、考えていただきたいと思い、2022年5月26日(木)に勉強会を開催させていただくことに致しました。

募集は4月末から開始予定です。ホームページその他SNSより募集のご案内をさせていただきます。

午前・午後1回ずつ、各定員10名です。

興味を持っていただけましたら、是非この日は空けておいてくださいね!

  • この記事を書いた人

真木 真奈

通算10年程製薬企業のMR(医薬情報担当者)として勤務。

お薬を否定せず、「自然療法は正しい知識で」取り入れることをモットーとしたわかりやすいレッスンや、効率良く学び「全てのアロマ資格に一発合格」した経験を活かした資格試験対策も好評。

・NARD JAPANアロマインストラクター
・MAA認定メディカルアロマプラクティショナー
・JAAトップインストラクター
・yuicaインタープリター
・コスメ薬事法管理者

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